【完全保存版】外国人が日本の不動産を買うまでの全手順(申込み〜引き渡し)

投資ガイド・ノウハウ

日本の不動産購入プロセスは、非常に書類主義的で独特の商習慣があります。「買付証明書」「重要事項説明」「手付金」… 聞き慣れない用語に戸惑うかもしれません。この記事では、物件を見つけてから自分のものになるまでの流れを、時系列でわかりやすく解説します。

所要時間の目安: 現金購入の場合、申込みから引き渡しまで通常1ヶ月〜2ヶ月かかります。ローンの場合はさらに1ヶ月程度長引くことがあります。

STEP 1:購入申込み(Kaitsuke)

気に入った物件が見つかったら、「買付証明書(Letter of Intent)」を提出します。これは法的な拘束力はありませんが、「この条件なら買います」という意思表示です。

  • 記載内容: 購入希望価格、手付金の額、契約希望日など。
  • 価格交渉: このタイミングで行います。「満額」で出すと優先されますが、相場より高い場合は「指値(値下げ交渉)」を入れます。

STEP 2:重要事項説明(ITSETSU)

契約の直前に、宅地建物取引士から物件の詳細な説明を受けます。これは法律で義務付けられています。

チェックすべきポイント:

  • 権利関係(抵当権は抹消されるか?)
  • 法令上の制限(建て替えは可能か?)
  • 管理規約(民泊は禁止されていないか?ペットは可か?)
⚠️ 注意: 日本語が理解できない場合、通訳を同席させるか、英語対応可能なエージェントを選ぶことが不可欠です。理解せずにハンコを押すのは絶対に避けてください。

STEP 3:売買契約の締結と手付金

重要事項説明に納得したら、売買契約書に署名・捺印し、「手付金」を支払います。

  • 手付金の相場: 物件価格の5%〜10%。
  • 解約手付: 契約後、買主の都合でキャンセルする場合、この手付金は返ってきません(放棄)。逆に売主都合キャンセルの場合は、手付金の倍額が戻ってきます。
  • 必要書類(個人の場合): パスポート、宣誓供述書(Affidavit)※住民票がない場合。

STEP 4:決済と引き渡し

契約から約1ヶ月後、銀行の一室などに売主・買主・司法書士が集まり、「決済」を行います。非居住者の場合は代理人(司法書士など)が出席することも可能です。

当日の流れ

  1. 司法書士が登記書類を確認
  2. 買主が残代金(物件価格 – 手付金)と諸費用を送金
  3. 着金確認後、売主が領収書と鍵を渡す
  4. 司法書士が法務局へ走り、所有権移転登記を申請する

購入時にかかる諸費用(目安)

項目 目安額
仲介手数料 物件価格の3% + 6万円 + 消費税
登録免許税 固定資産税評価額の約2%
司法書士報酬 10万円 〜 20万円
不動産取得税 評価額の3%(購入後数ヶ月で通知)
合計諸費用 物件価格の約6〜8%
最後に: 引き渡しを受けたら終わりではありません。非居住者の場合、すぐに「納税管理人の届出」を税務署に行う必要があります。これを忘れると、将来の納税通知が届かずトラブルになりますのでご注意ください。