住宅 vs 商業ビル:どっちが儲かる?投資初心者が選ぶべき道
投資戦略・比較
日本の不動産市場には、大きく分けて「人が住む場所(レジデンシャル)」と「ビジネスで使う場所(コマーシャル)」の2つの投資先があります。一般的に、住宅は「ローリスク・ローリターン」、商業ビルは「ハイリスク・ハイリターン」と言われますが、コロナ禍を経てその常識も変わりつつあります。それぞれの特徴を比較し、あなたに合った戦略を見つけましょう。
結論:
初めての日本不動産投資なら、不況に強く需要が安定している「単身者向けマンション(ワンルーム)」が最も安全な選択肢です。
1. 住宅用不動産(Residential)
マンション、アパート、戸建てなど。日本の賃貸市場の約8割を占めます。
メリット(Pros)
- ✅ 景気に左右されない: 不況でも人は住む場所を必要とします。リーマンショック時でも東京の住宅賃料はほとんど下落しませんでした。
- ✅ 空室リスクが低い: 良い立地なら、退去が出ても1〜2ヶ月で次の入居者が決まります。
- ✅ 融資が受けやすい: 銀行は住宅の資産価値を評価しやすいため、ローン審査が通りやすい傾向にあります。
デメリット(Cons)
- ❌ 利回りが低い: 安定している分、リターンは控えめです(都心で3〜4%)。
- ❌ 入居者対応の手間: エアコン故障、騒音トラブル、ゴミ出しマナーなど、細かいクレーム対応が発生します。
2. 商業用不動産(Commercial)
オフィスビル、店舗(レストラン・コンビニ)、倉庫など。
メリット(Pros)
- ✅ 高利回り: 住宅よりリスクが高いため、利回りは高めに設定されます(都心で4〜6%、地方で8%以上も)。
- ✅ 管理が楽: 内装や設備はテナント(借り手)が自分の費用で工事・修繕することが多く、オーナーの負担が少ないです。
- ✅ 長期契約: オフィスや店舗は一度入居すると5年、10年と長く借りてくれる傾向があります。
デメリット(Cons)
- ❌ 景気の影響を直撃: 不況になればテナントが撤退・倒産します。コロナ禍では飲食店の大量閉店が問題になりました。
- ❌ 空室期間が長い: 一度空くと、次のテナントを見つけるのに半年〜1年かかることも珍しくありません。
- ❌ 融資が厳しい: 銀行は商業ビルの収益性を厳しく審査するため、多額の頭金(30%以上)を求められます。
| 比較項目 | 住宅(マンション) | オフィス・店舗 |
|---|---|---|
| 利回り目安(東京) | 3.5% 〜 4.5% | 4.5% 〜 6.0% |
| 空室リスク | 低い | 高い |
| 景気感応度 | 低い(安定) | 高い(変動) |
| 推奨レベル | 初心者 〜 中級者 | 上級者 |
3. 最新トレンド:レジデンシャルの優位性
特に東京では、「単身世帯」が増加し続けています。晩婚化や高齢化により、ワンルームマンションの需要は今後10年以上底堅いと予測されています。
一方、オフィス市場はテレワークの普及により「都心のAクラスビル」と「それ以外」の二極化が進んでいます。古い雑居ビルへの投資は、テナント付けに苦労するリスクが高まっています。
⚠️ 注意点:
「民泊(Airbnb)」は住宅の一種ですが、ビジネスモデルはホテル(商業)に近いです。インバウンド需要に依存するため、コロナのようなパンデミック時には収入がゼロになるリスクがあります。
アドバイス:
まずは住宅(特に東京23区の駅近マンション)で安定した基盤を作り、2軒目以降で利回りアップを狙って地方の商業物件や一棟アパートに挑戦するのが王道のステップです。
